イタリア買い付け旅行記2014

鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記2014
鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記2014
今回の旅程は、6月15日(日)から6月22日(日)までの8日間。、Milano、Brescia、Treviso、VeneziaMestre、そしてVeneziaと5つの街を巡るかなりハードな旅でした。納得のいく品物を求め、10社以上を訪問し現地で買付けをしてきました。

イタリアに向け出発。KLMオランダ航空。 今回はKLMオランダ航空を利用することにしました。出発時間が10時35分と午前中だということとスキポールでの乗り換えもスムーズで現地には夕方に到着できるからです。スキポール空港は国際空港ですから規模は大きいですが、思うにわりとコンパクトにできているので、フランクフルトのようなとてつもなく時間のかかるターミナル間の移動は不要です('14現在、フランクフルトが今どうなっているかは知りませんが。。)。で、イタリアミラノはリナーテ行の便に乗り換えて、夕方6時30分ごろランディング。
ミラノ中央駅と投宿先のホテルamadeus

リナーテ空港到着後は、中央駅直行のシャトルバスに乗車。毎度の事ですから特に迷うこともなく無事中央駅に至りました。上の写真は歴史を感じさせる中央駅。下は投宿先のホテルです。

中央駅からブレーシアへ

16日、いよいよ本格的な買付旅行の始まりです。ミラノ中央駅午前8時35分初ヴェネチア行の特急列車に乗り、最初の目的地「ブレーシア」に向けいざ出発。上の写真は中央駅の電光掲示板です。因みに右側の表示は「出発」、左側は「到着」で、日本にはない表示方法ですから初めて旅行する人はご用心。なお、ここからは企業秘密を多く含みますので訪問先には触れられません。悪しからずご理解の程を。
ガルダ湖 サロ

ブレーシアで一仕事終えた後、少し時間があったので以前から行ってみたかったガルダ湖に向かいました。行先は「SALO」と言う町。湖畔の高級リゾート地でドイツ人もよく訪れる様です。しばしの間散策しテラスで一休み。一人旅は気楽でいいですがこういう地にはやはり誰かと来たいものです。下の写真はブレーシア駅。14時53分初の列車に飛び乗ったはずが、時計の示す時間はなぜか15時5分。どういうこっちゃ?
ヴェネチアメストレからトレビーゾへ

その後列車はヴェネチアへ向けひた走り、ヴェネチア手前のメストレ駅でいったん下車し、ローカル線に乗り換えてトレビーゾへ。
trevisoのホテルContinantal

夕方、ようやく宿泊先ホテル「Continantal」に到着。ツインルームをシングルユースですからかなり快適でした。ただ、WiFiがいまいちで少し難儀しました。

トレビーゾの街並み

皆様は、トレビーゾという町をご存知ですか。いわゆる観光都市ではないので日本人には馴染みのない町だと思います。ベネチアの北30kmに位置する城塞型の都市です。こじんまりとまとまっているので地図を片手に散策するには打って付けです。何よりも有難いのは物価が安いこと。ミラノやヴェネチアのような超有名都市の場合何かにつけて高額。例えばビール1杯でも、まあ5ユーロは下りません。以前フィレンツェで飲んだ時は確か20ユーロくらいとられました。
トレビーゾのカフェにて。

という訳で、今夜もカフェで夕食。カフェ真向かいにあるテラスレストランを横目で見ながら、ひとりスプリッツで乾杯。吉田類ではありませんが、この瞬間がたまりません。イタリアの友人に聞いたのですが、トレビーゾは白ワインが特産品なのだとか。一般的な白ワインに比べ度数がきついため、炭酸水で割って飲んだのがスプリッツの由来だそうです。
試作段階のミラー

せっかくですから、少しだけ企業秘密をご披露。上の写真は試作段階のウォールミラーです。ミラーはまだはめ込んでいません。ガラス製です。重量対策や吊り金具についてもう少し工房と打ち合わせが必要。見た目はよくわからないでしょうから今は「なんじゃこりゃ?」ってところでしょうか。
ベネチアのホテル La Forcola

数日間お世話になるホテル。とにかく狭い。快適とは言えませんがWiFiは申し分なし。このホテルは、ベネチアサンタルチア駅から徒歩10分と至近な位置にあり、北に向かって10分程度歩けばムラーノ島へ直通する水上バス(ヴァポレット)に乗船できる、私にとっては絶好のロケーションです。
ムラーノ島への通勤(?)路

先に「ムラーノ島へ直通する水上バス(ヴァポレット)に乗船」と書きましたが、ベネチアへやってきた目的は「ムラーノ島」での買い付け。ムラーノ島は「ベネチアングラス発祥の地」ともいえる岡本鏡店にとっても非常に重要な買付けの拠点です。ホテルを8時前後に出発し上の写真のような路地を通り抜けて水上バスのポートに至ります。この間およそ10分。で、下の写真の船着き場に到着です。ちなみにこの船着き場の名前は「ORTO」。観光客で賑わうS.Marcoのようなメジャーな船着き場ではありませんので人影もまばら。

ムラーノ島への通勤(?)路

ヴァポレットから洋上を望む

ヴァポレット(水上バス)から見た風景です。S.Michele島の次がMuranoColonnaでここで下船。イタリアへ到着した時は随分と涼しかったのですが、ベネチアでは日に日に暑くなりました。海風は心地よくないし日差しは強い。しかも少し蒸します。工房では色々と交渉事もあるしそれなりに気を使う。足の裏にまめはできるし、もうヘトヘトになります。

ムラーノ島のバール

喉の渇きと空腹を癒すために立ち寄った小さなバール。お薦めの店ですのでよかったらどうぞ。私も何度か行きました。MuranoMuseo(ポートの名前)近くにあるcoopの奥です。

ムラーノ島の表通り

以前も書いたことがありますが、目抜き通りというか表通りに密集しているショップは大概小売店ですので、この中から工房を見つけるのはなかなか大変です。もちろん値段も小売価格ですし、こういうショップから仕入れる訳にはいきません。ここからが「腕の見せ所」と言うと少々恰好を付け過ぎかもしれませんが、上手く糸を手繰り寄せて工房を見つけていきます。「糸の手繰り寄せ方」は企業秘密。ちなみに工房は下の写真のような人目に付かない路地の奥などにあります。当たり前の話ですがここは「他人の家」ですので、理由もなく入り込むと必ず咎められますからご注意下さい。

工房の在り処

とあるベネチアングラスの工房

上の写真は某工房の中。今回は職人さんと色々打ち合わせをして特注品を何点か注文しました。製作に2ヶ月を要するとのこと。7月終わりから1ヶ月程度現地は夏期休暇をとりますので、、、と考えると入荷は秋の終わりごろかと。。。

よく通ったホテル近くのバール

「現地から直接仕入れる」ということは、「商品を直輸入する」というだけではないと私は考えています。日本人に気質があるように、イタリアにもイタリア人気質というものがあるはずで、この気質が上手く理解できないと肝心なところで意思の疎通が図れず、結果的に「良い品」が仕入れられないことになると思うのです。ベネチアへ行けば、海沿いにテラスを擁した素敵なレストランが点在していますし、優雅に非日常を味わうこともまた旅の醍醐味だと思います。ただ、私はこういうレストランを敢えて避け、地元民が通うバールを選んで食事をとるように心がけています。言葉は通じにくいですがコミュニケーションは図れます。今回も一軒行きつけの店(?)を選び、毎日通い地元のオッチャン達と楽しくお酒を頂きました。ちょうどこの時はワールドカップのイタリア戦があり、店内のテレビでも中継していました。結果的にはイタリアの負け。でも、観戦中も皆さばさばしていて日本のように大きく一喜一憂することがないあたりには「大人」を感じました。


ベネチアの市場

せっかくですから、もう少しベネチアのご紹介。私が宿泊した場所は「マルクオーラ」という船着き場の近く。ベネチア本島の中心がサンマルコ広場周辺なら、宿泊した辺りはさしずめ下町といったところでしょうか。果物や野菜を売る露天市場やスーパーマーケットがあり生活の匂いが漂っているもう一つのベネチアの「顔」です。


鉄道駅近くの橋、グリエ橋

市場街を抜けしばらく歩くと、鉄道駅へつながる橋「グリエ橋」が見えてきます。


ベネチア マルコポーロ空港

帰国の時が訪れました。ベネチア本島からマルコポーロ国際空港行の直通水上バスを利用。電光掲示板に「10:31」と見える写真はチェックインの様子。もう大混雑、というよりも大混乱です。この人たちは整然と並ぶということを知らないのでしょうか。もっと整理すれば時間も短縮できるはずなのに、この混沌とした状態は私にとってはかなり不思議です。まあ、これが人間なのかな、と思う反面、日本人の優秀さを実感しました。


悲鳴を上げたスーツケース

旅にはトラブルが付き物。ベネチア島内の長距離移動は古いスーツケースにはきつかった。ついに車輪のひとつが悲鳴を上げ脱落。これはえらいことになったと慌てましたが、破損したのが幸いなことにベネチア空港の敷地内。それでもしばらくは重いケースを担ぐ破目になりました。


関空へ到着

6月22日(日)朝8時40分、無事関西国際空港に着陸。あいにく大阪は雨模様。緊張からの解放と長旅の疲れから一気に体から力が抜けた感じでしたが、成果のある実り多き買付け旅行でした。なお、今回の買付け品は2014年秋から来春にかけて徐々にお目見えすることになるでしょう。乞うご期待。

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